付き合いの薄れる社会で簡素化が急速に進む葬式ビジネスの市場

多様化するお葬式について
高度経済成長時代頃から世の中で行われる儀式が華美になるものと簡素化されるものに二極化されてきたという考え方をしばしば聞きますが、急速にその簡素化が社会に広まっている儀式の最たるものが葬式だと感じます。昔は葬式を出そうとすると僧侶の読経料や戒名代、あるいは葬儀場の祭壇一式等にグレードがあり、気が動転したまま喪主を務めてしまい、葬式終了後に目の飛び出る費用請求書の来る話がしばしばあったので、その反動が大きく出たと言えますが、時代の変化は単に葬儀費用の問題だけでないわけです。

お互いに大量の情報をえり分けながら多忙な生活をしているうちに、友人、知人だけでなく親族間の付き合いが縁遠くなってきた結果、不幸があっても葬式に呼ぶ必要を感じられなくなる人が増えてしまいました。このため、最近は現役を引退した人の葬式では身内の人だけ呼んで行う家族葬が急増しているそうですから、高齢者が4人に1人を超えるほどの高齢化社会で死亡者数が年々増加していても葬式ビジネスの市場は縮小の一途だといわれています。

中には、病院や遺体安置所に亡くなった人を一晩安置しただけでそのまま火葬場へ運んでしまう直葬で終わらせるケースも増えている程、葬式の簡素化が進んでいます。従って、隣近所で知り合いが急に見えなくなっても家人から連絡もないと、喪中の貼り紙さえしなくなった時代ですから、近所から忽然と知り合いがいなくなってしまうこともあるわけです。